京都のゲストハウスと行政〜規制と緩和の実態【最新】〜
出ましたね!京都市内のゲストハウス無許可営業の件数!!
予想していた以上に、ひどい。笑
1800件近くの把握された無許可施設、、、
さあ行政はどうするの?
1件1件にそんな手間暇かけられる人員いないでしょ・・・?
と思っていたら、まさかまさかのそれでした。
各保健センター担当者が自分の担当の区域内の無許可施設一覧表を配られて、その1件1件をピンポンしたりTELしたりし始めてるんですって!!
役所のお姉さん、嘆いてた。笑
暑くなってきた季節にこれはほんと大変・・・。
(ちなみに、旅館業法には無許可営業した者に対する「3万円以下の罰金または6ヶ月以下の懲役」という罰則規定があります。
ただし実際この罰則は、行政側が再三指導したにも関わらず、それを無視して営業を続けるような場合に科されることになっています。)
担当者が無許可施設を訪ねると、
担当者「営業やってますよね?」
無許可営業者「やってます!ごめんなさい!」
と素直に白状する方達がほとんどだそうで
(それもそう、見るからに分かるもんね。)
そこからは「やめます!」っていう人と「許可とります!」っていう人に分かれるみたいです。
役所の方も、担当者によるんだけど(もうこれはほんとに各人で雲泥の差があったりする・・・)、「ここをこういう風にしたら許可とれるようになるから」と教えてくれる人もいれば、そうでない人も。
結局担当者は地域ごとに分かれてるから、人によっては「他と比べてやけに膨大な仕事量がふってきてしまった!」ってなったりもしてるみたいで、ひとつひとつ細やかなアドバイスをしきれないのも、致し方ないのかなぁと思っています。
現に、うちの事務所に相談に来る人の半数くらいは、一度自分で管轄区の保健センターや消防署、都市計画局の建築審査課に足を運んでから来られます。
そして大体みんな口を揃えて「役所の説明わかりにくい。」「できないって言われた。」「たらい回しにされたけど答えが出なくてドウシタライイノカモウワカラナイ!!」と仰います。
それもそのはずなんですよね。
みんなが簡単に理解して出来ることなら、こんなに問題になってないんです。
原因は、縦割り行政、各関係法令の関連、京都という歴史ある土地というところにあります。
(詳細は長くなるので、割愛します!)
そしてまあ手前味噌になっちゃうけど、お客さんの持ってきた案件をみると私からしたら「別に問題のないこと」だったりするパターンもけっこうあります。
ポイントは、各役所に見せるべき情報、伝えないほうが混乱を招かない情報、少し事前に調整しておくべき情報の3つをそれぞれ整理しておくことです。
(初めてこれをする人にとったらそれが難しいのは当たり前のこと。だから専門家として私たちは報酬をいただけるのです。)
これは私が天の才であるわけでもなんでもなくて、ほんとにこの1年地道にいろんな角度から旅館業(主に簡易宿所、ゲストハウス)の手続に関わってきたからなんです。今振り返ると、ほんとにわりと多くの精神力と体力と時間をここに費やしてきたという自覚がある。
最初はわたしもようわからんかった・・・
でも、市役所、保健センター、消防署などの担当者と直接顔をみて色んな話をして、彼らが今どういう状況にあるのかを日々キャッチして過ごしているおかげで、随分と世の中と行政の動きがつかめるようになりました。
(結構オフレコの話があったりもする。)
じゃあ京都の民泊(簡易宿所、ゲストハウス)の規制は今後どうなるかって、
結局のところ、これにつきる。
「京都は古きが依然強い」
つまり方針としては、「緩和よりあくまでも規制、遵法」 ということ。
京都の旅館業界からは、これまでの行政の放置具合に対して相当のバッシングがあったんでしょうね。
無許可施設の調査リストを作る時点で、結果が出たら「行政は規制に動かざるを得ない」のは分かってたことだし。
やっぱり昔からきちんと許可とって経営してたり、今後きちんと許可をとるために設備面にしっかりお金も時間もかけて真面目にやってるホテルや旅館や簡易宿所の経営者たちはそりゃあ怒りますよ。
「無許可だと要件のこと気にしないから設備面にお金も時間もかけない→すぐに営業開始できる&宿泊料安くできる→宿泊客が集まる」のサイクルのせいで、正直者が馬鹿をみるようじゃ法治国家は成り立たなくなる。
個人的にも、遵法精神もってビジネスしてる依頼人たちの経営の方が俄然うまくいってほしいしね。
たしかに現行の条例は時代錯誤な部分もたくさんあるけど、
私は今回の京都市の規制スタンスに賛成です。
無許可営業してる人も、これからが方向転換の頑張り時です!!
4月1日付け施行の法改正で、面積要件が緩和され、わりと小さな物件でも許可の対象になったので、新しく許可をとったり、物件探しをしている方にとってはそこが目のつけどころですよ!!
相談は随時お受けしますので、お気軽にお声がけください^^
以上ヤナギでした〜!